ナイツ 塙 衝撃のギャラ事情 ネタ披露してたったこれだけ?
人気漫才コンビ「ナイツ」の塙伸之さんが、衝撃のギャラ事情を告白しました。
あの知名度抜群の漫才コンビが貰えるギャラが「たったこれだけ?」とみんな驚くほどの安い金額なのだそうです・・・・
ナイツ 塙 衝撃のギャラ事情
漫才コンビ ナイツの塙宣之さんが石橋貴明さんのYouTubeチャンネル「貴ちゃんねる」に出演し、厳しいギャラ事情を告白しました。
なんと漫才を披露してギャラがワンステージ1500円~1800円しかもらえないそうです。
こんな金額じゃやってらんねえよ
この記事ではナイツの塙さんが「こんなやってらんねえよ」と嘆くほどギャラが安いのか、その真相を調べてみました。
何故ナイツのギャラがこんなに安いのか?
ナイツ程の著名な漫才コンビがそんな微々たるギャラしかもらいえないのはナイツが「浅草東洋館」に出演する時です。
ナイツは「財団法人 漫才協会」に所属しています。漫才協会は「浅草東洋館」を定席としていてナイツは月1回ほど、「浅草東洋館」に出演しています。
「割に合わない」東京の寄席の割制度
ナイツが浅草東洋館に出演するときになぜこんなにギャラが安いのでしょうか?
答えは「割に合わない」東京の寄席の割制度にあります。
割とは東京の寄席で一日毎の客の入りと出演者の格に応じて支払われるギャラの事で、寄席の入場料収入を出演者全員で割ります。
仮に浅草東洋館にお客さんが満員になったとして出演者にギャラがいくら支払われるのか計算してみました。
- キャパシティー 202席
- 入場料 一人当たり2500円
- 入場者収入 220円×2500円=505,000円
- 寄席の取り分50% 505,000÷2=252000円
- 出演者の取り分50% 505,000÷2=252000円
- 一日に出演する出演者の数 25組
- 出演者1組当たりのギャラ 入場料収入252000円÷25=10080円
浅草東洋館に芸人さんが出演した時の一組当たりのギャラ
浅草東洋館に出演する芸人はだいたいコンビですから。一人一人が得られるギャラは満員になっても5000円ほどです。
満員になってもこの金額!
浅草東洋館は毎日必ずしも満員になるわけではないので、なおさら厳しいですね。ナイツ塙さんのギャラが浅草東洋館の寄席に出演してワンステージ1500円~1800円。3000円行けばいい方と言われる理由もわかります。
浅草東洋館が盛況になるのは人気のナイツやU字工事が出演する日に限られているそうです。お目当ての人気芸人が出演せずに閑古鳥が鳴くことも珍しくはないそうです。
ちなみに寄席の入場料収入を出演者全員で割る「割」の制度は関西の寄席には存在せず、東京にだけあります。
落語家さんの協会
東京の寄席は落語が中心にプログラムが組まれています。落語家さんは下記の協会あるいは一門会に所属しています。
- 落語協会
- 落語芸術協会
- 落語立川流
- 圓楽一門会
東京の落語の協会
東京には定席(1年365日休みなく落語や漫才、曲芸、紙切りなどの興行が行われる演芸場)が4つあります。
- 浅草演芸ホール
- 新宿末広亭
- 池袋演芸場
- 上野鈴本演芸場
この4つの演芸場のうち、浅草演芸ホール、新宿末広亭、池袋演芸場には落語協会、落語芸術協会が出演でき、上野鈴本演芸場には落語協会のみが出演できます。
落語立川流と圓楽一門会は4つの定席の寄席には出演できず、お江戸上野広小路亭やお江戸日本橋亭、お江戸両国亭などで興行を行っています。
落語の寄席にも漫才やコントが登場する
定席の寄席(浅草演芸ホール、新宿末広亭、池袋演芸場、上野鈴本演芸場)は落語が中心ですが、落語だけだと聴いている人が飽きちゃうため落語以外の芸を披露する芸人さんが登場するプログラムを組んでいます。
東京の寄席では、落語以外、漫才やコントの演芸を色物といいます。
浅草演芸ホール、新宿末広亭、池袋演芸場、上野鈴本演芸場に登場する漫才やコントのなど色物の芸人さんは落語協会、落語演芸協会に所属しています。
4つの定席の寄席では、落語家が7、色物が3の割合です。これだと色物の芸人が出演できる機会が少ないので、色物専用寄席として浅草東洋館が存在しているのです。
東京の寄席の事情 ②色物さんの協会
定席の寄席に出演する色物の芸人さんは、落語協会、落語芸術協会に所属すると同時に以下の団体(協会)にも所属しています・
- 漫才協会
- ボーイズバラエティー協会
- 東京演芸協会
漫才がメイン。主な所属芸人はおぼんこぼん、U字工事、青空球児・好児、ナイツ、ねづっち、ロケット団。今一番勢いのある東京の落語以外の寄席の協会
楽器を用いたネタをやる芸人さんの協会。主な所属芸人はグレート義太夫。
漫才や楽器ネタ以外のネタをやる芸人さんの協会
以上の色物さんの協会に所属している芸人さんは「浅草東洋館」に出演できます。代表的なのはナイツ、U字工事、おぼんこぼん、ロケット団。(他に寄席以外に顔が知られていない無名な芸人さんが多数在籍しています。
寄席芸人が所属する協会は漫才協会の他に、楽器を用いたネタをやる芸人さんの「ボーイズバラエティー協会」、漫才や楽器ネタ以外のネタをやる東京演芸協会があります。
こんなにギャラが安いのになんのために寄席に出演するのか?
東京の寄席芸人は落語家さん、色物さん問わず、寄席に出演したら貰えるギャラは「割」制度によって入場料収入を出演者全員で割るため、ひとりひとりがもらえるギャラはたかが知れてます。ほんの雀の涙です。
寄席の客入りの具合にもよりますが、たった数百円の時もあるそうです。
昔は都内にたくさんの寄席があったのですが、寄席の数が減り、反対に落語家さんや色物の芸人さんが増えています。従って寄席は芸人にとって稼ぐ場所ではなくなったのです。
では、みなさん、こんなにギャラが安いのになぜ寄席に出演するのでしょうか?
- 寄席は修行の場を兼ねている
- 芸を披露する場
- 顔見世興行
東京の寄席は若い芸人にとって修行の場でもあります。いわば道場です。
それと、寄席は自らの芸を披露する貴重な場であるとともに、芸人にとって寄席に出る事は、自らの顔を売る事になるのです。
寄席で顔が売れれば、独演会や地方での単独興行などいろいろ仕事が増えるきっかけになるのです。
ナイツ塙 ギャラ事情 まとめ
いろいろ調べて寄席に出たときのナイツ 塙さんのギャラが安い事がわかりました。
関西は、吉本興業や松竹芸能など伝統のあるプロダクションが芸人の芸歴、能力に応じてギャラを配分しています。
吉本興業のNGK(なんばグランド花月)なんてキャパが800人。毎回ほぼ満員。選ばれし出演者は相当なギャラを貰っています。
それに比べ東京の寄席芸人は関西に比べ、厳しい環境に置かれています。
環境が厳しい分、もっと東京の寄席芸人を応援する気持ちが強くなりました。
皆さんも寄席に行って東京の芸人さんを応援しましょう!
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